FELT

「フレームの魔術師」と呼ばれるジム・フェルトが立ち上げた、徹底的な研究開発が信条の質実剛健ブランド。エアロロードのパイオニアであり、カーボンフレームに関する経験は他を凌駕する。

To design, develop, and deliver the best bicycles in the world.

 1980年代、モトクロスのメカニックだったジム・フェルトが当時のスーパースター、ジョニー・オメーラのトレーニングのためにトライアスロンバイクを設計したのがFELTの始まりです。
 製作にあたり、空気抵抗の削減とライディングスタイルの最適化を重視したジムは、幾度も風洞実験を重ねてバイクのデザインを練り上げました。開発されたバイクは驚異的な性能を誇り、ジョニーは優勝。やがて彼の名声はチューブメーカーであるEASTON社に伝わり、EASTONブランドのチューブの開発を依頼されるようになりました。カーボン、アルミ、チタンといった素材を独自の理論でブレンドしたチューブは、GT、トレック、スペシャライズドなど名だたるブランドに採用されたのです。
  最初のトライアスロンバイクを作ってから10年後に、ジムは自転車産業界に広く顔の利くビル・ドーリングと、欧州市場のディストリビュータとして活躍していたマイケル・ミュルマンと、ドイツでFELT社を設立し共同経営に乗り出しました。
「To design, develop, and deliver the best bicycles in the world.」という言葉は、会社を大きくすることなどではなく、実直に、より良い製品づくりを目指す3人の共通した思いを表しています。

「フレームの魔術師」ジム・フェルト

 新しいコンセプトによるバイクづくりや、フレームマテリアルの開発など、この四半世紀以上の間のスポーツバイクのイノベーションを語るに欠かせないのが、FELTの創設者、ジム・フェルト。
 EASTON社において、フレームチューブの設計・開発を担当していた彼は、特にアルミ素材の設計・ブレンディングに長け、人々をして「フレームの魔術師」と言わしめています。
 さらにトライアスロンバイクで培ったエアロダイナミクスのテクノロジーを、ロードバイクに持ち込んだことも彼の功績の一つです。
 カーボン素材全盛となった現在でも、ジム・フェルトはFELTの製品づくりに欠かせません。自転車に驚くほどの情熱を注ぎ続ける彼は、現在でも開発とレースの現場を飛び回っています。ハワイ・コナのアイアンマンでミリンダ・カーフレーの駆る IA FRD の最終チェックをしたのもジム・フェルトその人です。そのレースでミリンダはチャンピオンになりました。
 FELTのすべてのバイクには彼の自転車への情熱、魂が息づいています。

「FAST, LIGHT, SMOOTH」

 「FAST, LIGHT, SMOOTH」、この3つの要素はFELTが開発するフレームに求める永遠のテーマです。それぞれの要素は相互に関係しながら成り立っており、1つの要素が増強しても減退してもバランスが崩れ総合力が発揮できません。軽さだけを追求すると剛性が低下し速さが犠牲になります。速さのみを追求し剛性を高めれば快適性が犠牲になります。FELTのすべての製品開発に共通するのがこの3つのバランスなのです。
 このバランスをFELTはすべてのフレームサイズで実現しています。
 通常、同じ素材でフレームを作った場合、小さいサイズは硬く、大きいサイズは柔らかくなります。パワーが低く小柄なライダーと、パワーが高くフレームへの負荷が大きい大柄なライダー、それぞれに最適な剛性、振動吸収性、ライドフィールを求めて、フレームサイズごとにチューニングを施しています。
 チューニングはエントリーのアルミバイクからハイエンドバイクまで全てのバイクで施されており、パイプの厚み、バテッドの箇所、テーパー加工の角度、接合面積、カーボン素材のブレンド、繊維を重ねる角度、そしてジオメトリーなど多岐にわたります。
 時間とコストはかかりますが、“FAST, LIGHT, SMOOTH”なバイク
を市場に送り出すためにFELTバイクにかかせないチューニングです。

AERODYNAMIC&CARBON METHODS

トライアスロンバイクの開発から始まったFELTにとってエアロダイナミクスは強みの一つです。
 FELTではまず、CADで設計した基本デザインをCFDで検証します。次にCFDで結果の出たデザインで実際にモデルを製作し、最新の風洞実験を行います。FELTにとって風洞実験室は単に結果を「テストする」場所ではありません。まさにバイクが「生まれる」場所なのです。開発チームは、風洞実験室に何度も通い、細部の修正を繰り返します。そうした段階を経てはじめてカーボンモールドがつくられ、プロトタイプのバイクがFELTのキーテスターのもとに届けられます。このように徹底的な研究開発を経て製品は完成します。FELTが創業から、時間と資源、エネルギー、そしてなにより情熱を注いできたのが「エアロダイナミクス」なのです。
 カーボンフレームの設計に関しても、FELTらしいライドフィールを実現するために蓄積された経験があります。
 優れたカーボンバイクを製造するためには、フレーム各所に最適なカーボンを選択する必要があります。たとえばペダルへ入力されたパワーを効率よく推進力に変えるためには、ボトムブラケットやダウンチューブに剛性が必要となるのです。開発はまず、FEAなどのコンピューターソフトウェアにより設計を行います。その設計をベースに、何度もプロトタイプの製作とテストを繰り返し、カーボンレイアップと呼ばれるレシピを完成させます。フレームの部位に合わせてブレンドを変更し、理想の特性を持ったカーボン素材を最も効果的な場所に配置。その技術がカーボンフレームにUHC=Ultra Hybrid Carbonという名称を用いている理由でもあるのです。

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