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最新ロードバイク6台一斉インプレ!今のロードバイクってどれも速くて魅力的過ぎませんか?
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- 【東大和店】大元 英俊 24年11月21日
スタッフ試乗会開催!
スタッフおおもとです
11月16日、調布市にある味の素スタジアムでワイズロードが主催する『スポーツバイクデモ』が開催されました。
今年も大変多くの皆様にご来場頂け、憧れのスポーツサイクルを試乗したり最新アイテムをチェックしたりと大いに楽しんでもらえたようで良かったです。
実はその前日に、ワイズロードスタッフも一同に集まり『スタッフ試乗会』を開催していました。
毎年恒例の社内イベント、メーカー様にご協力頂き、私たちも乗って、試して、話を聞いて沢山の情報を仕入れさせてもらっています。
今回はこのスタッフ試乗会でスタッフおおもとが手に入れてきた情報を発信させて頂きたいと思います!
第1弾は皆さまが気になって仕方がない最新&人気ロードバイクのインプレッションをお届け致します。
KhodaaBloom
STRAUSS RACE 3
105 仕様:¥296,000-
105 Di2 仕様:¥396,000-
日本人による日本人の為のスポーツサイクルを提案し続け、今やブランドとしてしっかりと定着した日本生まれの『コーダーブルーム』からは来春発売のレーシングアルミロードバイク『ストラウス』の第3世代が登場!
勝利を獲得する為のロードレーサー
そう銘打つだけあって走りに自信あり。
ジオメトリを見直し、前作よりもエアロダイナミクス、スタビリティ、そしてレスポンスに特化したレーシング仕様です。
試乗して驚いたのは今までのコーダーブルームとは明らかに違うタイプの走り。
足に伝わる明確な剛性感はカーブの度に加速が繰り返す瞬発力が求められるクリテリウムで心強い武器になると思います。
乗った印象は『貧脚お断り』
軽いギアで回しても淀みなく進むのは気持ちが良い反面、ギアを上げた時にはレースでバリバリに乗っている訳では無い私には過剛性に感じてしまうほどです。
逆に実業団で走りツール・ド・おきなわに毎年出場するレベルでパワーと体格もある川原副店長はこの剛性感を大絶賛。
レーシングバイクとしてリリースしただけあり、ライダーにある程度のポテンシャルが求められるフレームという事は間違いなさそうです。
トレーニングを積んだ脚力自慢のレーシングバイクとして来シーズンではレース会場で見かける事が増えるかもしれませんね。
GIANT
Defy Advanced
Advanced 1:¥429,000-
Advanced 2:¥330,000-
ロードバイクのタイヤが太いのは今や常識、だからこそ今乗っておきたいのがエンデュランスロードバイクのベンチマーク『Defy Advanced』
世界最大規模の自転車メーカーが開発し続け、第5世代となる今作はエンデュランスロードの『加速が鈍い』『なんだか物足りない』というネガなイメージを払拭する一台となっています。
往年のロードバイク乗りには信じられない『32c』を標準採用、しかし乗り味はイメージとは真逆で走り出しはスムーズなのでコーナーの立ち上がりもスピーディです。
タイヤに太さがあるので旋回性は高く、ヘアピンになっている試乗コースのコーナーでも全く無理を感じません。
当日は明け方の降雨によるウェット路面というシビアな環境なはずでしたが、恐れる事は何もありませんでした。
常に余裕を持って乗れるのはやはり卓越した快適性があるからこそ。
前作からよりしなる様に改良され路面からの振動を減衰する『D-FUSE』シートポスト、減衰性をより高めるように新設計した新型カーボンフォーク、レーシングバイクのTCRより寝かせたヘッド角を持つジオメトリーにより、ダンパーのようなギミックを設ける事無く快適性を向上させています。
路面の凹凸からくる微細な振動を抑え、路面上の小さな段差を通過する時でさえ不快な突き上げ感をほとんど感じさせませんね。
(もちろん32cのチューブレスレディタイヤである事も快適性には重要な要素です)
フレーム単体の能力だけでなく、完成車パッケージとして走りの完成度が高いのもジャイアントの魅力。
コンポーネント以外の様々なパーツがジャイアント製でコンセプトにドンピシャなアッセンブルが施されているのは強みです。
機材に特別なこだわりが無ければ、変にカスタムせずにこのまま乗り続けるのも一つの正解かもしれません。
ARGON 18
SUM
フレームセット:¥484,000-
スタッフおおもとにはARGON18に乗らねばならない理由があります、それは私がARGON18 GALLIUM PRO乗りだから。
乗らせて頂いたのはエアロロードのナイトロジェン、軽量オールラウンダーのガリウム、エンデュランスロードのクリプトン、それぞれの強みを『総和』させた事で『SUM』と名付けられたこの一台です。
卓越した軽さと総合力の高いガリウムをベースとし、ヘッドチューブ周りは空力を追求したナイトロジェンの形状を、ステー周りは快適性を追求したクリプトンの形状を取り入れた『SUM』は2022年に登場したモデルです。
軽量バイクへと統合する流れはあらゆるブランドで去年から今年にかけてよく見られ、ARGON18はその流れを一足早く踏み出していた事になります。
3モデルの要素を統合させるという点もそうですが、このメーカーはとにかく合理的であるという印象で、ヘッドチューブ長を変えてあらゆるポジションに対応可能な3Dヘッドシステムなども合理性が光ります。
土台にあるのは私も乗っているガリウムシリーズ、しかも同じXSサイズという事もあり、乗った印象が自宅のような安心感。
それはやはりブランドの特徴的なジオメトリである深めのBBドロップ量に慣れ親しんでいる事もありフィーリングは合いました。
安定した直進性で低速から高速までムラなく踏みやすく、リアからの突き上げ感は明らかにマイルド、空力性能においてはある程度の距離を巡行しなければ判断は出来ない為、ジャッジを控えたいところですが、総じて乗りやすいです。
ただ前述した通りARGON18は特徴的なジオメトリをしている為、乗り込んで身体が慣れて来ないと真価に気付いてもらえない気はしております。
いつもARGON18に乗っている私のインプレッションが、初めて乗る人の印象と乖離している可能性は否めません。
でも私は、バランスが良く乗りやすくていいロードバイクだと『SUM』を評価したいです。
PINARELLO
NEW DOGMA F
レギュラーカラー :¥1,155,000
MYWAYオーダー :¥1,325,500~
テーマは完璧への追求。
名前は同じDOGMA F、ですが改良が加えられモデルチェンジを果たした最新作。
一目で美しさを感じるところがスルーアクスルの貫通穴が無くなったこと、これ見よがしに前後共にロゴを入れていて悔しいけれどカッコいい。
ピナレロを購入する上で最も大切な事、それは『サイズ選び』
もちろん全てのロードバイクに言える事なのですが、ピナレロのサイズへのこだわりは尋常ではありません。
少ないブランドでは3サイズ、多いブランドでは6サイズの展開が一般的な中、ピナレロは11サイズという膨大な展開です。
それはより小さい人から大きい人までをカバーする為ではなく、より細かくサイズを刻む事であらゆるライダーに最適な走りを提供する為に他なりません。
そこで今回は身長161cmの私でどちらでも問題なくポジションが出せる43サイズと46.5サイズの2種類に試乗させて頂きました。
43サイズではリアから込み上げ背中から押されるような明確な加速感、走りの気持ち良さをハッキリと感じる事が出来ました。
ただBBドロップが67mmの為か、ダンシングでは少しふらつきやすい印象です。
46.5サイズでは43サイズよりも感じる加速感は落ちる印象なものの、落ち着いた直進安定性とコーナーリングのしやすさで乗りやすさが増しました。
BBドロップ量が72mmになった事が起因していると思われ、ダンシングでは 43サイズよりも長く追い込みやすかったです。
(43と46.5はBBドロップ設定が異なるジオメトリの境目の為、乗り味の差が顕著だと思います)
試乗会のような短時間乗る今回のケースでは43サイズの方が乗った印象を良く感じやすい傾向にありますが、実際乗るのであればより長く乗りやすいと思われる46.5サイズを選びたいですね。
今回はサイズで比較をしている為、サイズの違いを良し悪しとして見れますが、総じてDOGMA Fというロードバイクは『別格』と思えるレベルで走りの質は高いです。
私はレースには出ませんが予算があるならやはり手に入れたいロードバイクのひとつですね、予算はありませんが・・・
ORBEA
ORCA AERO M21ELTD
SRAM Force AXS 完成車
¥1,059,300-
(他仕様も有り)
私は週刊少年ジャンプの読者歴20年を超える読者なのですが、その昔この雑誌には『信ずるものは、オルベア』というキャッチコピーで必ず広告が出ていました。
バスク人で構成された強豪チーム『エウスカウテル・エウスカディ』がオルベア・オルカを駆りレースシーンを席巻していた時代。
またアルミロードモデル『AQUA』が人気を博し、サイクリングイベントの会場で見ない日は無かったほどです。
あの当時から本国も国内も運営体制は大きく変わりましたが、ポジティブな変化として『MyO』システムによりアップチャージ無しでカラーオーダーが可能になったのは大きなトピックです。
しかもバイクブランド『ORBEA』だけでなく、ホイールブランド『OQUO』でも可能、オーダーから約1カ月前後で届くのもスピーディーで素晴らしいです。
(MyOを利用できるモデルは決まっています)
当店も今年から取り扱いを強化したブランドのひとつで、今回試乗したオルカエアロは乗っておかねばならない1台でした。
オルカエアロは名前の通り空力性能を追求したエアロロードなのですが、速さを追求した結果、エアロボトルとダウンチューブに設けられたエアロ形状のアイテムストレージ『カーゴフォイル』で空力性能を高める驚きの発想!
ハイスピードで長距離を走り続けるロングディスタンスではこの差が体力の温存に貢献してくれるはずです。
エアロハンドル、完全内装、エアロフレームと見るからにレーシーなロードバイクなのですが、乗って見るとこれが乗りやすい。
無理を全く感じさせないスムーズな加速、過剰な硬さを感じさせないマイルドな踏み心地、イメージ通りに曲がれる旋回性と良い意味で見かけに反して万人向けです。
レーサーにオススメな事は勿論なのですが、前述した通り長距離を走るロングライダーの人にもオススメが出来るエアロロードだと思います。
この走りを下支えしていたのが採用されているホイール『OQUO RP45 TEAM』なのですが、このホイールが価格から想像出来ないぐらい優秀なのではと感じました。
上位モデルと同じ自社製のカーボンリムを使用し、スポークはSAPIM CX スプリント、そしてハブはなんとZIPP製でZR1を使用しています。
ZR1と言えば36万円する『ZIPP FireCrest』シリーズに採用されているハブ、6つの爪が生み出す反応性・5万キロ以上のテストで証明した耐久性・そしてロードバイクで求められる軽さを持ったレーサーをも満足させるハブです。
リムハイト45mm、重量は1,425g、そして税込価格190,300円、このスペックでこの価格、なにかバグっていませんか?
オルベア乗り以外にも『OQUO』のホイールは広まっていくかもしれませんね。
ANCHOR
RE 8
FRAME SET:¥320,000-
105:¥379,000-
105 Di2:¥489,000-
ULTEGRA Di2:¥935,000-
最後にご紹介するのは10月末に販売がスタートしたばかりの最新作『RE8』です。
ブリヂストンアンカーと言えば日本人に馴染み深い日本発のブランド、レースモデルの為に開発した解析技術プロフォーマットにより走りの効率を高める設計で『RP』シリーズは多くのレーサーに選ばれています。
このプロフォーマット技術を速さと快適さを生み出すことに活用したのがコンフォートモデル『RE8』なんです。
先んじて試乗していたスタッフから『かなりいい』という話を聞いていたのですが実際乗って見ると『すごくいい』
エンデュランスもコンフォートも、どちらの呼び方でもロードバイク乗りはネガティブに感じるもの。
それは『Defy Advanced』でも書いた通り『加速が鈍い』など快適さの為に走りを犠牲にしているのではないかという先入観があるからです。
実際問題、過去にそういうロードバイクが存在していた事は事実。
そこでRE8ではホビーライドを想定しながら、レースでも通用するだけの剛性を十分に確保しながら、快適さとの両立の実現を目指したのです。
ANCHORでは以前よりコンフォートモデル『RL8D』を揃えていましたが、比較すると『RE8』の剛性は137%と3割以上アップしているとの事。
乗って見るとコンフォートモデルにありがちなテンポが遅れた反応感は全く無く、重量のある32cクリンチャータイヤ(しかも耐久性重視)であるにも関わらず気になるような鈍重さはありません。
ブリジストンの方からは『ちゃんとレースで戦えるように作りました』と自信満々の回答を頂き、『ホビーライドなら32cがオススメですが、レースイベントなら28cがオススメです』との事でした。
ULTEGRA Di2モデルでカーボンエアロハンドルを採用しているのも、ちゃんとレースで戦えるだけのスペックがあるからこそなんだそうです。
BB周りが特徴的な形状をしているのも、クランクとフレームの間に流れる空気の流れを意識してとの事です。
フレーム重量は1,080gと軽量に仕上がっており、ヒルクライムバイクとしてもきっと活躍してもらえる自信がありますとおっしゃっていました。
リヤトライアングルの設計にこだわり、快適性と進みやすさを両立したという事もあってリアからの突き上げでストレスを感じる事はありませんでした。
これなら腰周りがブレる事無く安定し、ペダリング動作に集中して巡行維持も楽に出来そうです。
快適である事がレース終盤まで体力を温存する事に繋がり、ライダーが持つパフォーマンスを発揮しやすいロードバイクと言えるかもしれませんね。
稜線が重なるようなリッジパターンのグラフィックを自然色からインスパイアしたカラーで表現したフレームカラーはとても美しいです。
眺めても走っても乗り手を退屈させないロードバイクだと思います。
ちなみにワイズロード東大和店では12月にこのコンフォートモデル『RE8』とレーシングモデル『RP8』を乗り比べる事が出来る試乗会を年末まで開催予定です!
ブリヂストンがこれほど自信を持って生み出した最新ロードバイク、ぜひお確かめください。
以上、スタッフおおもとによるロードバイク6台一斉インプレッションでした。
ディスクブレーキのロードバイクが誕生し、主流になって早数年。
世代を重ねる事で登場当初にあった欠点は克服され、どのディスクロードに乗って見ても『これでいいな』と思えるぐらいレベルが高くなりましたね。
10年前はリムブレーキが当たり前、ワイドタイヤと言っても25c、この10年でロードバイクは大きな進化を遂げたなと思います。
毎年スタッフ試乗会では近年のロードバイクの進歩の目覚ましさを痛感させられ、日々勉強しなければと自転車業界の者として気が引き締まりますね。
今後もより鮮度が良く的確な最新情報をブログを通してご紹介出来ればと思いますので、ぜひご期待ください。
次はスタッフ試乗会で気になったアイテム編をブログアップしてますので、ぜひご覧ください。